明けない夜
夜4刻まで、浴場から出る事が出来なかった。
普段とは違ったリウさんを、まざまざとロニーに見せつけられた気がした。
そして、あんな破廉恥な行為をする彼女に驚いた。
それに興奮してしまった自分も居た。
ふらふらと帰宅し、自慰行為をした後、2回嘔吐した。
天使? どこが?
俺が見ていたものは、とっくに堕ちてしまっていたというのか。
あの微笑みも、優しさも、出会った頃から変わらないと、幻想を抱いていたというのか。
それなら、炎で焼かれても、仕方あるまい。
………
混沌とした夜明けを迎えた。
一睡も出来なかった。
今日は、鎧は着ない。
鞄からある物を取り出すと、それ以外何も持たずに家を出た。
真っ直ぐ、農場Aに向かった。
目的の人物はそこに居た。
「あ、おはよう! 農場こっちだっけ?どうしたの?」
「……」
「顔色悪いよ、大丈夫?」
「……」
左手で彼女の肘を掴み、グッとこちらへ引き寄せた。
右手で黒い塊を握りしめる。
「!」