家族
…泣いていたらロニーに心配させてしまう。しっかりしないと。
袖でごしごしと涙を拭い、家のドアを開けた。
「おかえり、リウ」
「ママおかえりー」
「もーおそーい!」
夫と二人の子供達が出迎えてくれた。
「皆待っててくれたの?」
「何だか目が冴えちゃってね。飲み会お疲れ様」
「ありがとうロニー」
「…目、赤いけどどうしたの?」
「の、飲み過ぎちゃったみたい」
「お付き合いも大変だね」
「うん…」
愛する家族に、心の中で詫びた。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
何でアンガスが?
ごめんなさいロニー。
胸がキリキリと痛む。
彼は、そんな人じゃないのに。
唇の感覚を思い出し、慌ててベッドに潜った。