不倫のお話

ワールドネバーランド エルネア王国の二次創作。無断転載禁止。不倫の話です、R18。苦手な方はスルーして下さい。

ルカ

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陣痛がきてからの時間は飛ぶように過ぎた。二人産んでいても慣れはしない。毎回、痛みで気が遠くなる。

気がつくと、産声が邸宅に響いていた。


「お母さん、頑張りましたね。元気な男の子ですよ」


奏女のヴァレリアが、取り上げてくれた赤ちゃんをそっと産衣に包んでくれた。


疲れ切った体で我が子を抱く。群青色の瞳がこちらを不思議そうに見つめた。


嗚呼、やはりーー。

心の中で色々な思いが混ざり合い、涙が一筋流れた。


「リウ、頑張ったね。大丈夫?」

「うん…」

ロニーは汗ばんだ額に張り付いた髪を整え、涙をそっと拭ってくれた。


「名前は、どうする?」


再度赤子の瞳を見つめた。


「…ルカ」


迷いは、なかった。


「ルカ…いい名前だね。またリウに髪色似ちゃったなぁ」

「髪の遺伝子だけ強いのかもね」

「目の色は、俺とリウの間の色だね」

「うん」


ロニー、本当にごめんなさい。

心の中で、何度目かわからない謝罪をした。


ドアがバタンと勢いよく開き、二つの小さな影が駆け込んできた。

「やった! 弟だ!」

「かわいい…!」

ガッツポーズで喜ぶマリンと、赤子に感動するスノウ。

「名前はルカ。光っていう意味なんだよ」

へぇー、と納得するスノウの横で、マリンはルカの頬をちょんちょんとつついていた。

「早く大きくならないかなぁ。一緒に探索したい」

「ふふ、今生まれたばっかりじゃない」


マリンにとって、妹が生まれた時とはまた違う感覚なのだろう。同性の兄弟を以前から望んでいただけに、上機嫌でルカを見つめていた。


スノウは自分より年下の存在が初めて出来たことに、驚きと関心を寄せているようだった。そっとルカと手を繋いでは、にこにことしていた。


「では、私はこれで」

ヴァレリアが部屋を後にした。


「ロニー、ずっと付いていてくれてありがとう」

「俺に出来ることはこれぐらいだからね。リウ、少し休む? 子供達は俺がみておくよ」

「うん、そうしてもらえると助かる」


3人と1人が部屋から居なくなり、静寂が訪れると、急に眠気が襲ってきた。


皆に愛され、産まれてきた子。

絶対に幸せにしなければ、と誓いながら眠りについた。