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不倫のお話

ワールドネバーランド エルネア王国の二次創作。無断転載禁止。不倫の話です、R18。苦手な方はスルーして下さい。

秋風と共に

「ママー、たきいこー!」

「オレもいく!」

「ママはあたしといくの!」

「じゃあオレはパパといくもん!」

早朝から兄妹の賑やかな声が室内に響く。


窓を開ければ、タダムとヤタリの木々がすっかり紅葉していた。


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「二人共、朝食が終わってからね。せっかくのお休みだから、皆で行こう? ね、ロニー」

「そうだね。マリン、スノウ、ごはんの準備は?」

「やった! スノウ、じゅんびいそげ!」

「マリン、はやくおさらはこんで!」


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柔らかな秋風が身を包む中、家族で手を繋いで歩く。


虫を捕まえてはしゃぐマリンと、沿道に咲く花を指差し、名を訊ねてくるスノウ。

繋いだロニーの手は、いつものように温かい。



「とうちゃーく!」

「みて、おさかな!」


水面は朝日でキラキラと輝き、木々の姿を映している。

肌寒い季節になった分、空気が澄んだように思えた。


時折魚の姿が見え隠れし、その度に子供達から歓声があがる。

ロニーと共に大きな岩に腰掛け、それを見守った。

「ふふ、何だか子どもの頃を思い出しちゃうね」

「リウも川で遊んでいたの?」

「うん。昔はおてんばだったみたい、よく言われたよ」

「へえ、想像つかないな」

「ロニーは子どもの頃と変わらない?」

「多分。あまり自分じゃ分からないけどね」

「うん、見てるとそんな感じがする」

「え、俺のことどう見てるの?」

「んー…ふふっ、内緒」

「気になるなぁもう」


クスッと二人で笑い合い、そのまま見つめ合った。

「目、閉じて」

少し低めの声で囁かれ、瞼を閉じると、唇に柔らかなものが触れた。

「…子供達が、」

「大丈夫、今は魚に夢中だから」

暫し、啄ばまれるような優しいキスに身を委ねた。


「さ、そろそろ帰ろうか」

「午後はアートさんと魔物討伐だっけ」

「そうだね。もっと一緒にいたかったけど、仕事だから…」

当番制で、近衛は毎休日に魔物討伐がある。

最近魔物の活動が活発になってきたため、新しく導入された制度だ。


腰を上げて子供達を呼ぼうとした瞬間、急激に吐き気が込み上げた。

「……っ」

思わずしゃがみこんだ。気付いたロニーが、顔を覗き込む。

「リウ、どうした?」

「……」

「顔が真っ青だ。気持ち悪い?」

黙って頷く。視界がぐにゃりとした。


子供達が心配して駆け寄ってきたが、しゃがんだまま動けない。

「先に、三人で、帰ってて?」

「こんな状態でおいていけないよ」

「だって、仕事…」 


「おい、ロニー。今日は当番ではなかったのか?」

返答に窮するロニーの後方から、聞き慣れた声がした。