2016-07-03 手を 「随分と書物が多かったな。ただ埃を拭いて整理するだけで、ここまでかかるとは」「お疲れ様。私の仕事なのに、手伝ってくれてありがとね」「いや、いいんだ。元はと言えば俺が悪いのだから」本の片付けを一通り終えた。これで、彼女と定期に会う機会はなくなる。 ふと、リウさんと目が合った。「……」「……」手が、自然と延びた。