不倫のお話

ワールドネバーランド エルネア王国の二次創作。無断転載禁止。不倫の話です、R18。苦手な方はスルーして下さい。

償いなんて

気づくと、彼女が半分覆い被さるような体勢になっていた。

体温を感じて再度昨夜を思い出し、鼓動が早くなった。


「あ…わっ! ご、ごめんなさい!」

「怪我はないか?」

「う、うん」


彼女は慌てて顔を背け、服についた埃を払った。


「そ、そういえば。何故この邸宅に? また引っ越すのか?」

「ううん。テレーゼ様に、定期的なお掃除を頼まれてるの」

「姉様が?」

「持ち主は王家だけど、普段忙しくて来れないからって。バイト代も出てるけどね」

「成る程。邪魔をしてすまなかったな」

「いや、そんなことないよ。仕事の合間に少しずつやってるだけだから」

「そうか…なら、手伝わせてくれないか? せめてもの償いをしたい」

「ええっ! いいよいいよ、ただのバイトだもの」

「じゃあ散乱した本の片付けだけでもさせてくれ」

「その……うん、わかった」